マクラメ入門|初心者が最初に覚える3つの結び方と必要な道具
マクラメは、ひもを手で結び、模様や形を作る手芸です。針やミシンを使わずに始められるため、自宅で静かにものづくりを楽しみたい人に向いています。
最初から大きなタペストリーを目指す必要はありません。3〜4mm前後の扱いやすいコットンコードを用意し、平結び、ねじり結び、巻き結びを練習して、小さなキーホルダーやコースターを完成させるのが無理のない順序です。
この記事で分かることは次のとおりです。
- マクラメが向いている人と、始める前の注意点
- 初心者が覚えたい3つの基本的な結び
- 最低限必要な道具と初期費用
- 最初の作品を完成させるまでの手順
- 結び目の不ぞろいや材料不足を防ぐ方法
結論:ひも、はさみ、定規、固定場所があれば始められる
マクラメを試すだけなら、専用道具を一式そろえる必要はありません。
最初に必要なのは、次の4点です。
- コットンコード
- よく切れるはさみ
- メジャーまたは定規
- ひもを固定する台とピン
固定台はコルクボードが便利ですが、練習段階ならクリップボードや厚紙でも代用できます。メーカー公開のレシピにも、マクラメピンは待ち針、専用ボードはアイロン台で代用できる例があります。
最初の一歩は、1種類のひもで平結びを10回繰り返すこと。 結び目の向きと力加減が分かってから、小物の制作へ進みましょう。
マクラメは、次のような人に向いています。
- 手を動かす単純作業に集中したい人
- 自分のペースで少しずつ作品を作りたい人
- 糸や布の色、素材感を楽しみたい人
- 実用品やインテリア小物を手作りしたい人
- 大型機械を置かずにものづくりを始めたい人
一方、短時間で寸法どおりの作品を作りたい人は、力加減の調整を面倒に感じるかもしれません。同じ結びでも締める強さによって幅や長さが変わるため、最初は完成度より一定のリズムで結ぶことを優先します。
マクラメは何を楽しむ趣味なのか
マクラメの中心にあるのは、複数のひもを組み合わせ、結び目の反復で模様を作る楽しさです。
メーカーのメルヘンアートは、マクラメを、ひもを結んでアクセサリーからインテリア用品まで作れる技法として紹介しています。細いコードならブレスレットやチャームに、太いコードならコースター、プラントハンガー、タペストリーなどに展開できます。
一人で、屋内で進めやすい
基本的には机一つ分の場所があれば、一人で制作できます。途中で中断するときも、結びかけのひもをボードに固定したまま保管できます。
ただし、大きなタペストリーや長いプラントハンガーでは、壁面やハンガーラックなど、ひもを垂らせる場所が必要です。最初の作品を手のひら程度の小物にすると、作業場所と材料費を抑えられます。
始めやすさと上達しやすさは別
道具が少ないので、始めるハードルは低めです。しかし、結び目を均一に並べるには練習が要ります。
初心者が最初に身につけたいのは、複雑な模様ではなく次の3点です。
- 左右のひもを見分ける
- 芯ひもをまっすぐ保つ
- 毎回ほぼ同じ強さで締める
この3点が安定すると、同じ結び方でも仕上がりが大きく整います。
初期費用はいくらかかる?
マクラメの初期費用は、家にある道具を流用するか、専用ボードを買うかで変わります。
以下は、2026年8月8日時点のメーカー公式ストア価格を参考にした目安です。販売店、送料、コードの素材や長さによって総額は変わります。
| 始め方 | 費用の目安 | 用意するもの | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 最低限 | 500〜1,500円程度 | コード1巻。はさみ、定規、固定台は家にあるものを流用 | まず結びを試したい人 |
| 標準 | 2,000〜4,000円程度 | コード、コルクボード、ピン、はさみ、メジャー | 小物を継続して作りたい人 |
| 少しこだわる | 4,000〜8,000円程度 | 複数色のコード、専用道具、金具、書籍や材料キット | 作品の種類を広げたい人 |
公式ストアでは、コットンコードの一例として25mが660円、28mが990円、50mが1,320円で掲載されています。また、コルクボード、マクラメピン10本、基礎本を含むスターターキットは2,090円です。
この価格差から分かるのは、最初からセットを買わなくても練習できるということです。まずコードを1巻だけ購入し、続けられそうなら専用ボードや色違いの材料を加える方法が、無駄を抑えやすいでしょう。
初心者に必要な道具と材料
道具選びでは、作品の見栄えよりも「結び目を確認しやすいか」を優先します。
最低限必要なもの
コットンコード
初心者には、結び目が見やすく、手で扱いやすい3〜4mm前後のコードが適しています。生成りや明るい単色なら、ひもの重なりや間違いを確認しやすくなります。
コードには、撚り方や硬さの違いがあります。
- 3本撚り:形を保ちやすく、端をほどけばフリンジも作れる
- 1本撚り:柔らかな表情を出しやすいが、ほどけや毛羽立ちに注意が必要
- 組みひも状:扱いやすく、結び目が安定しやすい
初回は素材を混ぜず、同じ太さのコードだけを使います。太さや伸び方が違うひもを組み合わせると、結び目の大きさをそろえにくくなるためです。
はさみ
コードを押しつぶさず、一度で切れるものを使います。切れ味が悪いと端がばらけ、長さの調整や仕上げが難しくなります。
メジャーまたは定規
材料を切るときだけでなく、結び始めの位置や作品の幅を確認するためにも使います。10回結ぶごとに幅を測ると、力加減の変化に気づけます。
固定する台とピン
コードを固定すると、両手で結びやすくなります。コルクボードとマクラメピンが定番ですが、練習なら次のような代用品も使えます。
- クリップボード
- 厚紙と大きめのクリップ
- アイロン台と待ち針
- 机の端に取り付ける丈夫なクリップ
机や家具を傷つけないよう、クリップが触れる部分には布や厚紙を挟みます。
あると便利なもの
- マスキングテープ:コードの仮止めや左右の目印に使う
- くし:フリンジを整える
- S字フック:吊るして結ぶ作品を固定する
- 目打ち:締めすぎた結び目を緩める
- 小分け袋:切ったコードや金具を作品ごとに管理する
後から追加すればよいもの
木製リング、流木、カラビナ、アクセサリー金具は、作る作品が決まってから購入します。先に集めると、コードの太さと金具の穴が合わないことがあります。
専用ボードも必須ではありません。ただし、週に1回以上作るようになったら、目盛り付きのボードは寸法をそろえる助けになります。
最初に覚えたい3つの基本の結び
最初は、平結びを基準に、ねじり結び、巻き結びへ進むと関係を理解しやすくなります。メルヘンアートの基本資料でも、平結び、ねじり結び、巻き結びなどが基礎として紹介されています。
1.平結び
平結びは、左右の結びひもを芯ひもの周囲で交互に結ぶ方法です。左右を交互に繰り返すと、平らな帯状になります。
初心者が確認したいポイントは3つです。
- 中央の芯ひもを引っ張りすぎない
- 左右どちらから始めたかを覚えておく
- 一組ごとに結び目を中央へ寄せる
片側だけを続けてしまうと、平らにならず、次に説明するねじり結びの形になります。作業を中断するときは、次に始める側へ小さなクリップを付けておくと迷いません。
2.ねじり結び
ねじり結びは、平結びの片側の動作を繰り返す結び方です。結び目が自然に回転し、らせん状になります。
途中で作品がねじれて見えても、失敗とは限りません。らせんが進んだら、無理にひもを戻さず、作品自体を回して同じ動作を続けます。
短い練習でも形が表れやすいため、キーホルダーやチャームの最初の模様に適しています。
3.巻き結び
巻き結びは、芯になるひもへ別のひもを巻き付けて、線を描くように結ぶ方法です。芯ひもの角度によって、横線、斜線、曲線を作れます。
平結びよりも力加減の差が模様に出やすいため、最初は芯ひもを水平に固定し、短い横巻き結びから練習します。
- 芯ひもの角度を途中で変えない
- 一目ごとに隣の結び目へ寄せる
- 強く締めすぎて芯ひもを曲げない
斜め模様は、横線を一定に作れるようになってからで十分です。
ここがポイント: 3種類を一度に暗記する必要はありません。平結びで力加減を覚え、片側だけを繰り返してねじり結びを確認し、その後に巻き結びで線を作る順番なら、違いを手の動きとして理解できます。
失敗しにくい始め方を5段階で整理
最初の完成品を小さく設定すると、材料の切り間違いや結び直しがあっても立て直せます。
1.作るものとレシピを一つ決める
最初の候補は、キーホルダー、チャーム、小さなコースターです。結ぶ本数が少なく、完成までの工程を見通しやすいものを選びます。
レシピを選ぶ際は、次の条件を確認してください。
- 完成寸法が書かれている
- コードの太さ、本数、切る長さが明記されている
- 結び方を写真や図で確認できる
- 初心者向け、または基本の結びだけで作れると明記されている
2.必要量より少し余裕を持って切る
コードは結ぶと短くなります。完成寸法と同じ長さで切ってはいけません。
必要な倍率は、コードの太さ、結び目の密度、芯ひもと結びひもの役割で変わります。そのため、一般的な倍率だけで決めず、使用するレシピの指定を優先します。メーカーの無料レシピには、各コードの長さが具体的に示されたものがあります。
初めて使うコードでは、短い試し結びを作り、10cm結ぶために何cmのひもを消費したか測る方法も有効です。
3.左右と芯ひもに目印を付ける
コードを固定したら、左右の結びひもと中央の芯ひもを分けます。左右で色の違うマスキングテープを貼ると、図の動きを実物へ移しやすくなります。
4.10分だけ試し結びをする
作品へ入る前に、余りひもで平結びを繰り返します。見るべき点は速さではありません。
- 幅が途中で細くなっていないか
- 芯ひもが曲がっていないか
- 結び目の間に大きな隙間がないか
- 指や手首に痛みが出ていないか
問題があれば、この段階で固定位置や椅子の高さを調整します。
5.一度に完成させようとしない
20〜30分を目安に区切り、作業を止める前に次の結び位置へ目印を付けます。長時間続けて手が疲れると、結ぶ力が変わり、後半だけ幅が狭くなりやすいためです。
初心者が挫折しやすい5つのポイント
つまずきの多くは、器用さではなく、作品の大きさや材料の選び方に原因があります。
結び目の大きさがそろわない
原因は、締める方向や強さが途中で変わることです。数目ごとに作品の幅を測り、見本となる結び目を一つ決めて合わせます。
きつく締めれば整うとは限りません。芯ひもが曲がるほど引くと、かえって模様がゆがみます。
左右が分からなくなる
動画や図を見た直後は結べても、中断すると次の側が分からなくなりがちです。
対策は単純です。開始側を毎回そろえ、休むときは次に動かすひもへクリップを付けます。ほどく回数を減らすだけで、制作の負担は大きく下がります。
コードが途中で足りなくなる
結びひもは、芯ひもより多く消費します。すべてを同じ長さに切るレシピばかりではありません。
指定寸法を確認し、切断前に本数と長さを紙へ書き出してください。長いコードは束ね、洗濯ばさみなどで仮留めすると絡まりにくくなります。
最初から大作を選ぶ
大型タペストリーやバッグは魅力的ですが、必要なコードが多く、途中で寸法のずれを直す負担も増えます。
最初の作品では、一晩で完成することより、基本の結びを最後まで同じ幅で続けられることを目標にします。小物を一つ完成させた後なら、大作に必要な時間と材料量を想像しやすくなります。
材料を買いすぎる
色違いのコードや金具を先に集めても、作品が決まらなければ使い切れません。
初回は、単色のコード1巻と、小物1個分の金具だけで十分です。次に作りたい作品が決まった時点で買い足します。
始め方の選択肢を比較
独学、キット、教室では、費用だけでなく、迷ったときに質問できるかが違います。
| 始め方 | 初期費用 | 難易度 | 続けやすさ | 必要な場所 | 向いている人 | 挫折しやすい点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 家の道具で独学 | 低い | やや高い | 自分のペースで続けやすい | 机一つ分 | 調べながら試せる人 | 間違いに気づきにくい |
| 材料キット | 中程度 | 低め | 最初の1作品を完成させやすい | 机一つ分 | 材料選びを省きたい人 | 説明が自分に合わない場合がある |
| 対面・オンライン講座 | 中〜高 | 低め | 質問できれば続けやすい | 会場または撮影できる作業場所 | 力加減を直接確認したい人 | 日程や受講料が負担になる |
キットを選ぶなら、完成写真だけでなく、材料、必要な道具、完成寸法、対象レベルを確認します。金具だけが付属し、はさみやボードは自分で用意する商品もあります。
教室は、結び目の力加減をその場で見てもらえる点が強みです。ただし、マクラメに資格は必須ではありません。趣味として小物を作るだけなら、独学や単発講座から始められます。
無理なく続けるための工夫
続けやすさを左右するのは、作品の難しさよりも、準備と片付けの負担です。
道具を一つの箱へまとめる
コード、はさみ、定規、ピンを同じ箱に入れます。作業を始めるたびに道具を探さなくて済み、10分だけ練習することも可能になります。
完成作品より練習見本を残す
平結び、ねじり結び、巻き結びを10cmほど作り、結び方の名前を書いた紙と一緒に保管します。しばらく休んだ後も、手元の見本を見ながら再開できます。
同じ作品をもう一度作る
次々に新しい結びへ進むより、同じ小物を色違いでもう一つ作るほうが、寸法や力加減の改善を確認しやすくなります。
2個目で材料の切断時間が短くなり、結び直しが減ったなら、それは具体的な上達です。
作品ごとに材料費を記録する
コードを何m使ったか、金具はいくらだったかを簡単に記録します。趣味として続ける費用を把握でき、余った材料から次の作品も選びやすくなります。
安全に楽しむための注意点
マクラメは比較的始めやすい手芸ですが、刃物、ピン、長いコードの扱いには注意が必要です。
- はさみとピンは、作業後すぐケースへ戻す
- 長いコードを床へ広げたままにしない
- 子どもやペットがコード、金具、ピンを口にしないよう管理する
- 吊り作品は、壁や天井側の耐荷重も確認する
- プラントハンガーは、鉢と水を含む総重量を考える
- 肌に触れる作品では、素材表示や金具の材質を確認する
ポリエステル系コードには、端を熱で処理できる製品もありますが、すべてのコードに使える方法ではありません。火気や熱処理を伴う仕上げは、メーカーの素材表示と手順を確認し、換気できる安全な場所で行います。不慣れなら、接着剤や結びによる始末が指定されたレシピを選んでください。
また、プラントハンガーや壁飾りを取り付ける場合、賃貸住宅では壁への穴開けに制限があることがあります。作品を作る前に、設置場所と固定方法を決めておくと無駄がありません。
よくある質問
不器用でも始められますか?
始められます。最初は速さを求めず、一つの結びを繰り返してください。左右に目印を付け、10回ごとに幅を測れば、手先の感覚だけに頼らず練習できます。
100円ショップのひもでも練習できますか?
太さが一定で、毛羽立ちが少なく、引っ張っても極端に伸びないひもなら試し結びに使えます。ただし、作品用のレシピでは指定された太さと素材を優先してください。同じ長さでも、太さが違えば完成寸法と必要量が変わります。
最初の作品は何がおすすめですか?
平結びまたはねじり結びだけで作れるキーホルダーやチャームが取り組みやすい選択です。工程が短く、結び目がほどけても戻る位置を見つけやすいためです。
マクラメボードは必要ですか?
必須ではありません。メーカーの公開レシピにも、アイロン台や待ち針で代用する例があります。続けると決めてから、目盛り付きボードや専用ピンを追加しても遅くありません。
マクラメはどれくらいの頻度なら続けやすいですか?
週末に大作を一気に進めるより、週2〜3回、10〜20分ずつ結ぶほうが力加減を覚えやすくなります。短時間で終えられるよう、コードを固定した状態で安全に保管できる場所を用意しましょう。
まとめ:まずは平結び10回と小さな作品一つから
マクラメを始めるために、高価な機械や大量の材料は必要ありません。コード、はさみ、定規、固定場所を用意し、まず平結びを10回練習すれば、向き不向きを確かめられます。
最初の目標は次の3段階で十分です。
- 平結びを同じ幅で10回続ける
- ねじり結びとの違いを手の動きで覚える
- 基本の結びだけで作れる小物を一つ完成させる
専用ボードや複数色のコードを買うのは、その後です。最初の小物を作り終えたら、使ったコードの長さと難しかった工程を記録してください。その数字が、次にコースターへ進むか、もう一度同じ小物を作るかを判断する、最も確かな材料になります。
