テニスを趣味にするには?初心者が道具選びで失敗しない始め方
テニスは、運動不足を解消しながらボールを打つ爽快感も味わいたい人に向く趣味です。一人では試合ができませんが、スクールを利用すれば相手探しやコート予約をせずに始められます。
最初からラケット一式を買う必要はありません。 初心者クラスの体験レッスンを受け、ラケットを借りて「楽しく通えそうか」を確かめるのが、失敗しにくい最初の一歩です。
この記事で分かることは次のとおりです。
- テニスが向いている人と、始める前の注意点
- 体験、スクール、仲間との練習にかかる費用
- 最低限必要な道具と選び方
- 初心者が最初に練習したいこと
- 挫折しやすい原因と、無理なく続ける方法
※料金やレンタル条件は2026年8月確認時点の例です。地域、曜日、施設、クラス時間によって変わるため、申し込み前に利用先の最新情報を確認してください。
結論:最初の1カ月はスクールで基礎を覚えると始めやすい
初心者には、レンタルラケット付きの体験レッスンから始め、週1回の入門クラスを1カ月試す方法がおすすめです。
テニスはボールを相手コートへ入れるだけなら単純に見えます。しかし、未経験者同士だけで始めると、ボールが続かず、拾う時間ばかり増えがちです。コーチが球を出してくれるスクールなら、ラケットの握り方、打点、体の向き、力加減を順番に学べます。
テニスが向いている人
- ボールを打つ爽快感を楽しみたい人
- 一人で黙々と運動するより、相手とのやり取りが欲しい人
- 週1回ほど予定を決めたほうが運動を続けやすい人
- 技術が少しずつ安定する過程を楽しめる人
- 屋内外のどちらでも取り組める趣味を探している人
始める前に知っておきたいこと
テニスは始めやすい一方、コート、練習相手、天候の影響を受けます。屋外コートは開放感がありますが、雨や暑さで予定が変わることがあります。インドアスクールは天候に左右されにくいものの、月謝は公共コートを仲間と借りる方法より高くなる傾向があります。
肩、肘、膝、足首に不安がある人は、入会前に医療機関へ相談し、スクールにも状態を伝えてください。
テニスはラリーとゲームを段階的に楽しむ趣味
テニスの中心にある楽しさは、相手とボールを往復させる「ラリー」です。いきなり正式な試合ができなくても、サービスライン付近から短い距離で打ち合えば、その日のうちにやり取りを楽しめます。
日本テニス協会の「TENNIS PLAY & STAY」も、技能や体格に合うラケット、狭いコート、速度の遅いボールを使い、初心者が早い段階からゲームを楽しむ考え方を示しています。TENNIS PLAY & STAYの公式案内は、最初から通常球をフルコートで強く打つ必要がないことを理解する手掛かりになります。
楽しみ方は大きく分けて次の3段階です。
- コーチの球出しでボールを打つ
- 短い距離で相手とラリーを続ける
- サーブ、得点、コートの使い方を覚えてゲームをする
シングルスは運動量が多く、自分で広い範囲を守ります。ダブルスは4人必要ですが、守る範囲が比較的狭く、仲間との連携も楽しめます。趣味として長く続けるなら、どちらか一方に早く絞る必要はありません。
初期費用は体験なら数千円、道具をそろえると2万〜5万円が目安
費用を抑える鍵は、体験前にラケットや専用ウェアを買わないことです。スクールによってはラケットとシューズを無料で借りられます。
高井戸ダイヤモンド・テニスクラブでは、確認時点の初回体験料が1,100円で、体験者向けのラケットとカーペットコート用シューズを無料貸し出ししています。これは一施設の例ですが、体験レッスンの案内から、手持ちの運動着だけで試せる場合があると分かります。
費用別の始め方
-
まず一度試す:0〜3,000円程度
体験レッスンとレンタルを利用。運動着、靴下、タオル、飲み物は手持ち品で対応します。 -
無理なく始める:月7,000〜15,000円程度+必要な道具代
週1回の入門スクールを利用します。2026年度の公式料金例では、週1回・月4回の入門クラスが7,128円、中野島テニススクールの平日月4回が9,460円です。時間帯や施設により差があります。 -
道具を一通りそろえる:合計2万〜5万円程度
入門用ラケット、テニスシューズ、ボール、小物を購入する場合の目安です。ラケットやシューズの仕様、セール、中古品の利用で上下します。 -
少しこだわる:5万円以上
中上位ラケット、専用ウェア、バッグなどをまとめて購入する場合です。初心者の上達に必須ではありません。
月謝には入会金、年会費、保険料、冷暖房費などが別途かかる場合があります。振替制度、休会条件、退会申請の締切も含めて、月額だけでなく半年間の総額を確認しましょう。
最低限必要な道具と、後回しにできるもの
最初に必要なのは、ラケット、コートに合った靴、動きやすい服、飲み物です。ただし、体験時は借りられる物が多いため、申し込み時にレンタル範囲を確認してください。
ラケットは軽さだけで決めない
成人初心者は、面が極端に小さくなく、重すぎないラケットのほうがボールを捉えやすくなります。ただし、適切な重さやグリップの太さは、体格、筋力、打ち方によって変わります。
購入前に確認したい項目は次のとおりです。
- 成人用の硬式テニスラケットか
- ストリングが張られた状態で販売されているか
- グリップの太さが手に合うか
- 数回振っても手首や腕に負担を感じないか
- 中古品ならフレームに大きな亀裂や変形がないか
最初の一本は、体験レッスン後にコーチや専門店へ相談すると選びやすくなります。高価な競技モデルを買うより、自分が無理なく振れて、ボールを面の中央付近で捉えやすいことが重要です。
シューズはコートの種類に合わせる
ランニングシューズは前進動作を想定した製品が中心です。テニスでは横方向への切り返しが多いため、継続するならテニスシューズを用意します。
コートには、ハード、砂入り人工芝、クレー、カーペットなどがあります。靴底が合わないと滑りすぎたり、反対に引っ掛かったりするため、通う施設のサーフェスを確認してから買ってください。ヨネックスも、表示サイズだけで決めず、店頭で実際に足を入れて選ぶようテニス用品の安全案内で勧めています。
必須、便利、後回しを分ける
最初から必要
- ラケット(体験中はレンタル可)
- コートに適したシューズ(レンタルの有無を確認)
- ポケット付きの動きやすい服
- 飲み物、タオル
屋外では優先度が高い
- 帽子
- 日焼け止め
- 着替え
- 気温に応じた防寒着
後からでよい
- ラケットバッグ
- 振動止め
- 専用ウェア
- 予備ラケット
- 大量のボールや練習器具
ボールはスクール側が用意するのが一般的です。友人とコートを借りる段階になってから購入すれば足ります。
初心者向けスクールの選び方
良いスクールとは、設備が豪華な場所ではなく、自分の生活に無理なく組み込める場所です。月謝と同じくらい、通いやすさや振替制度が継続を左右します。
体験時に見る7項目
- 「初心」「入門」「未経験者向け」のクラスがあるか
- ラケットやシューズを借りられるか
- 1クラスの定員とコーチの人数
- 欠席時に別日へ振り替えられるか
- 雨天中止時の扱い
- 入会金、年会費、設備費を含む総額
- 更衣室、シャワー、駐車・駐輪場所の有無
初心者クラスでは、通常球より速度を抑えたボールを使う場合があります。例えば、バボラのグリーンボールは通常球より25%遅く飛ぶ仕様で、公式製品案内でも初心者がフルサイズコートへ慣れる練習用とされています。体験時にボールが遅く感じても、それは簡略版ではなく、ラリーを成立させるための段階的な練習です。
独学、スクール、仲間との練習を比較
| 始め方 | 費用 | 難易度 | 続けやすさ | 必要な場所・相手 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 体験レッスン | 無料〜数千円程度 | 低い | 相性確認向き | スクールが用意 | 1回だけでは通常クラスの雰囲気が分かりにくい |
| 週1回のスクール | 月7,000〜15,000円程度+諸費用 | 低〜中 | 高い | スクールが用意 | 曜日固定や振替条件が生活に合わない |
| 仲間と公共コート | コート代とボール代を人数で分担 | 中 | 仲間次第 | 予約と相手探しが必要 | 未経験者だけではラリーが続きにくい |
| 壁打ち・自主練習 | 低い | 中 | 場所次第 | 利用可能な壁打ち施設 | 自己流の癖や、禁止場所での練習 |
公共コートは施設ごとの差が大きく、予約者登録や抽選が必要な場合もあります。料金だけでなく、予約方法、キャンセル規定、利用可能な靴、ボールかごの持ち込み可否を確認してください。
最初の4週間で取り組みたい練習
最初の目標は強いショットではなく、短い距離で相手と3往復することです。ボールが続くようになると、練習が「打ち方の確認」から「相手とのゲーム」へ変わります。
1週目:構えと打点を知る
ラケットの握り方、相手が打つ前の構え、ボールとの距離を覚えます。腕だけで強く振らず、ゆっくり出されたボールを面の中央付近で捉えることを優先します。
2週目:サービスライン付近でラリーする
ネットに近い短い距離から、山なりのボールを打ち合います。力を抑え、「相手が返しやすい場所へ送る」ことが目標です。
3週目:フォアとバックを使い分ける
利き手側だけへ回り込まず、反対側へ来たボールにも対応します。足を細かく動かし、打った後に中央へ戻る流れを覚えます。
4週目:サーブから短いゲームをする
正規の1セットにこだわらず、数ポイントのゲームを行います。サーブを入れ、相手の返球をもう一度返せれば、最初の達成として十分です。
動画を見る場合も、同時に複数のフォームを試さないことが大切です。その日のテーマを「打った後に構え直す」など一つに絞ると、変化を確認しやすくなります。
初心者が挫折しやすい5つの原因
テニスをやめる理由は、才能不足よりも、最初の目標や環境が合っていないことにあります。
ボールを強く打とうとする
力むとラケット面が安定せず、コートへ収まりません。最初は速度より、高い軌道で相手コートの中央付近へ返すことを目指します。
道具を先に買いすぎる
高価なラケットが自分に合うとは限りません。体験で借り、コーチへ相談し、継続を決めてから一本目を選びます。
上級者と比べる
初心者の進歩は「強い球を打てたか」では測りにくいものです。3往復できた、サーブが数本入った、打った後に戻れた、といった再現可能な変化を記録しましょう。
通う条件が生活に合わない
遠いスクールや振替しにくいクラスは、内容が良くても欠席が増えます。自宅または職場からの移動時間、着替え、終了後の帰宅まで含めて判断してください。
痛みを我慢する
筋肉の疲労と、関節の鋭い痛みは同じではありません。痛みが出たら練習を中止し、続く場合は医療機関へ相談します。自己判断でフォームや道具だけを変えて押し切らないでください。
安全に楽しむための注意点
安全の基本は、周囲を確認してからラケットを振り、体調と天候に合わせて練習量を下げることです。
- 練習前に軽く体を動かし、いきなり全力で打たない
- 後方や隣に人がいないことを確認してラケットを振る
- コート上のボールを踏まないよう、区切りごとに回収する
- 暑い日は休憩と水分補給を増やし、体調不良を感じたら中止する
- 雨で濡れたコートや破損したシューズでは無理にプレーしない
- 他の利用者がいる公園や駐車場で、許可なく壁打ちをしない
- 施設ごとの服装、靴、利用時間、撮影、キャンセルの規則を守る
試合をするようになったら、得点の数え方だけでなくセルフジャッジも覚えます。日本テニス協会は、判定が難しいボールは相手に有利な「グッド」とすること、サーバーが得点を聞こえる声で告げることなどをセルフジャッジ5原則として示しています。仲間内のゲームでも、この考え方を共有すると判定を巡る気まずさを減らせます。
無理なく続けるための仕組み
続けやすさを高めるには、意欲ではなく予定と費用を小さく固定します。まず3カ月だけ、週1回を基本にしてみましょう。
- 通う曜日を一つ決める
- 欠席時はその場で振替日を予約する
- 毎回の目標を一つだけ決める
- 練習後に「できたこと」を一行残す
- 用品は必要になった順に買う
- 月謝、交通費、追加練習費を月単位で把握する
一人で参加しても、スクールでは同程度の経験者と定期的に顔を合わせます。仲間を作ることを急ぐ必要はありません。挨拶をし、球拾いや交代を丁寧に行うだけで、練習へ参加しやすい関係が育ちます。
よくある質問
運動が苦手でも始められますか?
始められます。「初心」「入門」と明記されたクラスを選び、体力に不安があることを体験前に伝えてください。速度の遅いボールや短いコートを使うクラスなら、走り回る前にボールのやり取りを学べます。
一人で申し込んでも大丈夫ですか?
グループレッスンは一人で申し込めます。コーチが練習相手や交代を組むため、自分でペアを探す必要はありません。公共コートでの自主練習は、別途相手が必要です。
最初からテニスシューズを買うべきですか?
体験先で借りられるなら、初回は購入を待って構いません。継続を決めたら、通うコートの種類に合うシューズを試着して選びます。
中古ラケットでも問題ありませんか?
状態が良く、自分に合う重さとグリップなら選択肢になります。ただし、フレームの亀裂や変形、ストリングやグリップの劣化を確認してください。判断できない場合は専門店で相談しましょう。
まとめ:まずは手持ちの運動着で体験へ行こう
テニスを趣味にしたい初心者の最初の行動は、ラケット購入ではなく、通える範囲にある初心者向け体験レッスンを探すことです。
申し込む前に、次の4点を確認してください。
- ラケットとシューズを借りられるか
- 初心者専用クラスか
- 体験料以外に費用がかかるか
- 入会後の月額総費用と振替条件はどうなっているか
体験では、上手に打てた本数よりも、「この場所へ週1回通えるか」「コーチの説明が分かるか」「もう一度ボールを打ちたいと思えるか」を見ます。その3点がそろったら、次は1カ月だけ入門クラスへ。道具を買うのは、通うコートと自分に合う重さが分かってからで遅くありません。
